日本の色
草木染しかなかった時代に書かれた日本文学(万葉集、古事記など)の中には、色によって物事を表現する華麗さがありました。その華麗さを取り戻し、日本の彩の中で生活するために、日本古来の彩を再現し、伝えていきたいと考えます。

色彩の原点
現在ある色の多くは、太古からある草木染の色を基本にしています。人工の化学染料等は、草木染の色を基に多くの色をつくりだしました。すべての色の原点は草木染にあるといえます。
草木染の彩
ひとつの草木からいただく色は無数です。その彩は何色も混ぜたかのように、濃くも淡くも深い色合いに染まります。道端の草木が、どうしてこの様な美しい色に染まるのか、いつも不思議でなりません。大自然の不思議を草木染を通して表現したいと思います。

草木の想い
植物の命からいただく彩に出会う度に、感動し、驚きを覚えます。その彩を使わせていただき、想いを布にたくして草木の命をつなげていきます。色以外の何かを感じとる色彩への思い入れが草木染にはあるような気がします。

世界の染めもの
現在、世界で草木染を行っている国はごくわずかです。どの国でも必ず行われていたこ とが、染色の技術革新と共に忘れ去られようとしています。ナチュラルライフが叫ばれ始めた現在、もう一度その良さを再認識し、それぞれの国の祖先が培ってきた遺産を再現したいと思います。

薬効の色
古代の染料のほとんどが漢方の生薬であり、内服しても効果のあるものばかりです。毒草でそめたものはひとつもありません。危ないものは家に持ち込まないというのが、昔のくらしの鉄則でした。昔の染料は体にいいのです。
原初の染色
色のはじめは薬です。衣類は肌につけ身を守るものだから、すこしでも体に良いように、また虫がつかないようにと植物を選び、色を選んで染めたのが染色のはじまりです。昔の人は植物によって身を守れるという知恵を、日々の経験によって培ってきたのです。